ホーム気に入られる営業活動術ノルマの達成しか考えていない営業マン
営業におけるノルマとは何でしょうか。
本来ならば、契約を取ってくることでしょう。
しかし、それがもっと簡単なタスクになっているのではないか、と思われることがあります。
例えば、「アポをとればいい」だったり、「相手先に訪問して日報をかけばいい」「セミナーにつれて来ればいい」だったり、ということです。
以前出入りしていた営業マンは、とにかくそういったノルマだけを達成するために、私の元を訪れていました。
その営業マンは、有名な大手の営業マンでした。
その会社は、大手なだけに、毎年大量に営業マンを採用し、過酷な営業内容なのか、大量に毎年辞めていきます。
そのような会社から来る営業マンは、やる気があまり感じられない人が多いと思います。
その営業マンは、ごり押ししてくるタイプではありませんでした。
しかし、人間関係を構築して、そのうちに契約を使用と考えている節もありませんでした。
最初から契約などできるわけがないと諦めているようで、ただ日報を書くためにだけ来ているといった感じでした。
もちろん、一通りの営業はしていきます。
今月はこれを売るように、と会社から指示があったと思われる商材について、チラシやカタログを使って説明していきます。
彼は商品知識はそれなりにあったので、説明はきちんとしていました。
しかし、時間に遅れることはよくありました。
あるとき、彼は新人研修の一環として、新人を連れてきたいと頼んできました。
断るのもかわいそうなので、それを受け入れると、しばらくして新人を連れてやってきました。
まだ入社したばかりなのでやる気はあるようで、ハキハキと話し、ニコニコを笑う大柄な男性の営業マンでした。
しかし、そのときもこれといって商談をするわけではありません。
一通り商品説明をしてそれでおしまいでした。
新人営業マンに、「これでいいのか」と思わせてしまったとしたら、それは新人教育としては成功しているのでしょうか。
また、ある時、彼に招かれてセミナーに出席してみたことがあります。
ちょうど見てみたい商材を紹介していたので、私としては有意義なものだったのですが、終わった後に彼が出口付近で待っていたので声をかけました。
すると彼は、次のようにいいました。
「このあと会社に戻りますか?私はこの後何もないので暇なんですよ」
時間は14:30でした。
どうやら私に時間があれば、どこか喫茶店でも行って、時間を潰したいと思っていたようです。
謙遜して言っているわけではないことは、普段の態度からも想像できました。
結局この営業マンは、この後も何度か訪問をしてきましたが、具体的な商談になったことはありませんでした。
そして、そのうちに担当が替わってしまい、会わなくなりました。
彼の人柄は悪い人ではなかったので、嫌いではなかったのですが、もしノルマ達成のためだけに来ていたのだとしたら、やはり訪問を受ける側としては自分の時間を取られてしまうので、迷惑なことです。
せめて、ノルマ達成のためなのかな、と悟られないくらいの用意はしてほしかったと思います。
彼のような人以外でも、営業マンの中には、なぜ営業職を選んだのかな、と思うような人がよくいます。
こういう人は、他にやりたいことがなかったから、何をすればいいのかわからなかったから、「とりあえず」営業だったら採用されやすいので、やってみた、という人なのではないでしょうか。
そういう人は、仕事という意識が低いので、どうすればこの仕事の中で、自分を成長させることができるのか、受注獲得できるのか、といったことをあまり考えないし、努力もしません。
会社から言われてきたことを最低限、そのまま、出社している時間だけ、やるだけなのです。
本来ならば、新人であればプライベートを削ってでも、その職業のスペシャリストになるべく、日夜勉強に励むべきなのですが、そういった意欲や意識は薄い人が多いように思います。
せっかく採用されたのだから、せめて在職期間中に何か一つだけでも能力を身につけようと考えて、試行錯誤すれば、仕事が楽しくなるかもしれないし、その後の人生設計にも役立つかもしれません。
行動すれば、よきにつけ悪しきにつけ、それなりに答えが得られるものです。
本当によくないのは、何も結果が得られないことです。
そうなると、いつまで経っても現状維持しかできず、気付いたときには、何もできない人になっているかもしれません。
それでは無難に社会人生活を送ることは将来的にはできなくなってしまいます。
将来を見据えて、そうならないように、精進しておかなければいけないということです。