ホーム気に入られる営業活動術自分のこと、会社のこと、知っていますか?
よく日本人は、自分の国や歴史、政治、経済、地理について説明することができない人が多いと言われますが、それは自分の国に対してそれほど興味を持っていないということかもしれません。
同じようなことが会社に対しても言えます。
自分の会社のことをどこまで説明できるでしょうか。
最低でも、会社案内に書かれていることくらいは、見なくても言えますか?
訪問先に行ってまずすることは、自分の会社の説明です。
この説明によって、相手は、あなたの会社が何をやっている会社なのかを把握します。
ですから、このときに「後は会社案内を見ておいてください」などと言って、おざなりにしてはいけません。
また、あなたの会社がどこまでできるのか、というのもこのときに知らせなければなりません。
得意分野を2・3紹介しただけで、「不明な点があれば、お電話ください」というのもよくありません。
相手は、そこまであなたの会社に興味を持っていません。
ですから、あなたとの面会が終わった後に、もう一度会社案内を隅々まで読み返して、どのような会社であるかを知ろうとしたりしません。
初めて会った、そのときこそが最初で最後のチャンスと思ってください。
ここを逃したら、何か需要が生じたとしても、あなたのことを思い出してくれません。
必要な情報をすべて与えておかなければ、「あの会社は関係ない」とはじかれてしまいます。
「~は扱っていますか?」なんて、わざわざ質問してはくれないのです。
会社案内をするときには、以下の内容を順序良く説明できるようにしておきましょう。
会社の創業はいつで、どういう成り立ちなのかを覚えておきましょう。
そもそもは、どういうコンセプトで立ち上がった会社なのか、創業者はどんな人だったのか…。
こういうことは、同じ会社の人でも知らない人は多くいます。
ですから、古参の社員や取締役連中、昔のことを知っていそうな人たちに、聞いて回りましょう。
いつごろに、どういう決断をして、その結果どのようになったのか、など、年表のように覚えておくといいでしょう。
会社が何人規模で構成されているのかも説明できなければなりません。
また、支社が幾つあるのか、それぞれの規模はどのくらいか、ということも頭に入れておきましょう。
規模を説明するだけで、相手には様々な印象を与えることになります。
人数が多ければ安定感のあるイメージですが、小回りが利かないかもしれません。
人数が少なければ融通はきくかもしれないけれど、倒産の恐れがあります。
倒産してしまたらサポートも受けられなくなるので、保守が必要な分野ではイメージは悪くなります。
反対に、保守の必要のない買い切りのサービスならば、比較的容易に取引をしてくれるかもしれません。
こういった安定感などのイメージは、規模と創業何年目か、という2つの情報で植えつけられます。
もし、安定感がなさそうな規模・歴史の会社ならば、そのイメージを払しょくするために、あなたが何か付け加えてイメージアップしなければなりません。
社長をはじめとする役員構成も覚えておきましょう。
そして、その人柄やこれまでの実績、従事してきた業務などにも触れて、会社がどういう方向を目指しているのか、相手に伝わるように説明します。
例えば、「社長はもともと営業一筋で、営業部長から本部長を経て社長に就任し、会社のビジョンを~のように考えており、顧客第一を掲げて、一層のサービス強化に努めるべく、日夜現場を走り回っている」なんて説明をすることができれば、末端の社員にもそういう行動が知れ渡っているし、尊敬もされているようだな、と思われるでしょう。
もちろん、嘘をつく必要はありませんが、それでも「社長がダメな人で…」というような自社の悪口は、あなたも含めて信用されなくなりますので、決してしてはいけません。
最終的に説明することになるのが、取扱商品です。あなたの会社がどの分野に強くて、なぜ強いのか説明しましょう。
まずは、得意分野を1~3つ程度説明します。
この3つが柱となるわけですが、このとき、訪問先の担当者が求めていないものが柱となっていた場合には、あまり興味を持ってもらえません。
ですから、どれが来てもいいように、幾つかを柱として説明できるように準備をしておきましょう。
そして、話の流れで、相手が求めているものを探りつつ、柱の商品を紹介していくのです。
また、柱の商品の説明が終わったからと言って、終了にしてはいけません。
更に「こんなこともやっています」というように、扱っている商品は余すところなく説明するくらいの姿勢でいましょう。
そのうちどれか一つでも相手の意識に引っかかってくれれば、しめたものなのです。
もし自分の会社のことを、うまく説明できなければ、会社のことを理解してもらえないのはもちろんのこと、あなたの仕事に対する姿勢にも疑問を持たれてしまいます。
そして、「このようないい加減な社員のいる会社は、きっといい加減な会社に違いない」と思われ、「ここは危なそうだから、取引する会社としてはふさわしくない」と、選択肢から外されてしまうかもしれません。
アドリブで何とかなるなどと考えないでください。
わからないことがあるのに、そのままにしてぶっつけ本番でやろうとしてはいけません。
わからないことがあるのならば、事前に社内のあらゆる人に質問をして、わかった状態にしましょう。
あることについて理解すると、それに付随した別の疑問がわくことがあります。
それも、そのまま放置せずに、とことんまで理解しておきましょう。
そして、人に説明できるようになっておけば、訪問先で説明するときに、胸を張って自信を持って説明することができます。
自信を持って説明してくれる人に、人は信頼感を持つものなのです。