ホーム気に入られる営業活動術営業を受ける側(お客様)はどんな気持ちで応対しているか
あなたが相手と会う時に、初回の約束は電話でアポを取っていることが殆どだと思います。
飛び込み営業という方法もありますが、何も約束していない状態で訪問されると、相手は迷惑に感じるので、印象は悪いと思いましょう。
最悪の場合「約束していない人とは会えません」と断られることもあります。
また、同様に、一度会ったからといって次回訪問するときに、アポなしで行ってしまうとやはり嫌がられます。
会うのであれば、毎回きちんと手順を踏みましょう。
しかし、たとえ電話で約束を取り付けていたとしても、やはり相手はあなたに会いたいとは積極的には思っていません。
断りきれないから、単に暇だったから、成り行き上会うことになってしまった、というだけのことなのです。
相手は、あなたとぜひ会いたいと思って好意的に、前向きに会っているわけではないということは、心しておいてください。
このように後ろ向きで、あなたに対してネガティブなイメージを持っている人に対して、あなたが取るべき行動は1つだけです。
それは、とにかく自分の印象を良くして売り込む、ということです。
人間は中身で勝負、などと言われますが、営業マンであるあなたと、営業を受ける側とのコンタクトに最も大事なものは、第一印象です。
印象は見た目から始まります。
ですから、あなたの身だしなみが穢ければ、その時点でかなりのマイナスイメージを与えてしまっており、売り込みはかなり失敗していると思ってください。
身だしなみでまず気をつけることは服装です。
スーツであることは当たり前、ヨレヨレであってもダメです。ネクタイは必ず締めます。
そのネクタイも、シャツやスーツとのコーディネートで、おかしな色や柄でないものを選択します。
スーツやシャツの色は、度が過ぎなければ(紫のように、ホストかと思わせるようなもの以外)、トータルコーディネートで考えればいいでしょう。
また、靴下の色も考えましょう。
白は社会人がスーツに合わせる色ではありません。
次に髪型です。
ボサボサではないでしょうか。
きちんと固めておくべきです。
フケがついているのもよくありません。
もちろん、臭ってもいけません。
風呂に入るのは当然として、それでも体臭が気になると思うのであれば、香水をつけてもいいでしょう。
そして、顔に傷やできものがあるときは、できるだけそれらを隠すように努力しましょう。
薬を塗って治そうとするのはもちろん、肌が荒れている人は、寝る前に男性用化粧品を塗って保湿をしたり、エステにいくのも一つの手です。
要は、営業マンとしてやっていくのであれば、それなりのお金をかけることも必要だということです。
次に、印象を与えるのは、あなたの話し方や物腰です。
いい加減な態度は決してしないようにしましょう。
学生気分が抜けていない人は、きちんと挨拶ができなかったり、時間が経つにつれて、勝手に打ち解けたと思い込んで、話し方がフランクになりすぎてしまったりします。
こういう部分は、きちんと相手に見られています。
そして、あなたの振る舞いを見て、「仲良くなれてよかった」などと思ってはくれません。
「この人は、急に態度が横柄になったな」と思われ、印象が悪くなってしまいます。
相手はお客様であって、友達ではありません。
あなたは友達を作りに来たのではありません。
常にあってもらっているんだということを忘れないようにしましょう。
そして、話し方にも気を付けましょう。
話し方を直すのはとても難しいことです。
何十年もの蓄積の上にできあがった生活習慣の一つですので、そう簡単に他の話し方に変えられるものではありません。
しかし、直さなければ致命的な場合もあります。
例えば、早口で話す人は、相手が聞き取れないので、やがて適当に流されてしまい、相手の心にも何も残りません。
相手と話すときは、ゆっくりと落ち着いて、相手に理解してもらえるように話さなければなりません。
話し方ひとつで、相手に安心感を与えたり、警戒心を抱かせたりするものです。
あなたが自分の話し方について、客観的に見ることができないのであれば、ボイスレコーダーを用意して、訪問時には必ず録音するようにしましょう。
後でその録音を聞き返して、自分がどのように話していたのかをチェックするのです。
チェックするときは、厳しめにチェックしましょう。
つい自分のことだからといって甘く採点してしまうと、意味がなくなってしまいます。
最後に話す内容と見せる資料について述べます。
まず、資料は必ず相手の分も用意しておかなければなりません。
初回に見せる資料は、会社案内とちょっとしたパンフレットでしょう。
最近では、iPadなどのモバイル端末が増えたため、会社案内を刷らずにその場で見せるだけで済まそうとする営業マンもいますが、会社案内は相手に渡してこそ意味があります。
「興味をもったら、弊社のウェブサイトにアクセスしてみてください」では、まず見てもらえません。
あなたがiPadを閉じた瞬間に、相手も何の会社だったのか忘れてしまうことでしょう。
運ぶのが重いから、という自分の都合で、相手に渡すものを持ってこなければ、相手に印象付ける確率が下がっていくだけです。
相手の手元に残ってこそ、記憶にも残るのです。
話す内容についても、行き当たりばったりのアドリブ勝負でやっていたのではいけません。
訪問する前に、これから訪問する会社はどんな会社なのか、きちんとリサーチしていますか?
訪問する会社の規模、全国展開の有無、業務内容、そしてあなたが売り込みたいサービスとの関連性、それらをすべて調べて、どのような話をしたらいいのか事前に考え、苦手であればスピーチの練習もしておきましょう。
初回に話すことは会社案内と、サービスの例として2・3の商材や事例の紹介です。
まずは、自分の会社がどのような会社で、何を売りにしていて、他社とどう違うかを言えなければなりません。
業務内容で同業他社との差別化ができなければ、あなた自身がどれだけ相手のために、よりよいサービスを提供できるかをアピールしましょう(価格も含め)。
会社の実績やあなたの実績を紹介するのもいいでしょう。
関連会社や取引先にどのような会社があり、どれだけのコネクションを持っているかをアピールするのです。
これらのアピールを通して、「今後もお見知りおきを」という姿勢をもって、初回訪問を終えましょう。
最初にできることはここまでです。
間違っても最初から成約しようなどと思わないことです。
ところで、相手と話をするときに、まずは関係のない話をして相手の気分をほぐしてから本題に入る、などというセオリーを聞いたことはあるでしょうか。
関係のない話をしてから本題に入るというのは、それなりにテクニックが必要です。
まず、相手は、あなたと会うために忙しい中時間を割いているのだ、ということを忘れてはいけません。
そこで、まったく関係のない的外れな話題をいきなり振ると、相手は引いてしまいます。
慣れないことはするものではありません。
「今日はお時間を割いていただきまして、ありがとうございます。さっそくですが…」
と、ちょっと挨拶をしてすぐに本題に入っても構いません。
相手はそのつもりで会っているわけですから、相手にとっても違和感はありません。
少し雑談をしたいというのであれば、そのまま本題に流れ込めるような話題を考えておきましょう。
ポイントは、訪問先の会社の内容と自分たちのサービスを絡められるものです。
「今日はお忙しい中、ありがとうございます。御社では○○という商品をお作りになっているということですが、私も○○には興味がありまして、学生の頃によく利用させていただきました」
という話に続き、その商品がどんな点でよかったのか、褒めてみましょう。
厳しい意見を言うと参考になるという人もいるかもしれませんが、相手の印象を悪化させる可能性の方が高いので、余計なことはしない方が無難です。
一通り感想を述べることができれば、雑談にも一区切りつきます。
ここから自社製品にそのまま絡められれば上出来ですが、それができなくても、「本日は、簡単に弊社がどのような会社であるのか、どういう点で利用価値があるのか、ご説明させていただきます」と、訪問の目的を伝えます。
そして、本題に入っていきましょう。
このように「どこの馬の骨ともわからない営業マンに、わざわざ自分の時間を割いてあってやっているんだ」という相手のネガティブマインドを、プラスに持っていけるように、それが無理でもせめてイーブンの状態にまで戻せるように、あなたの身だしなみと話術を磨いておきましょう。
話術に自信がなくても大丈夫です。
事前にきちんと話す内容を用意しておいたり、自社商品や会社のことをしっかり理解しておいて、相手が質問してきたときに答えられるようにしておけば、相手を安心させることができます。
逆に、相手の質問に答えられない場合、「この人と話しても無駄だ」と思われてしまいます。
ですから、準備は万端に整えておかなければならないのです。