営業は、自信満々に行わなければ、相手に不信感を与えてしまいます。
しかし、自信満々の態度でも嫌われてしまうスタイルもあります。
それが相手の弱みに付け込もうとするやり方です。
弱みに付け込もうとするタイプには以下の2つがあります。
ゴリ押ししてくるタイプの営業マンは、勘違いしているように思えます。
新人ではないけれど、ベテランとまではいかない、2~3年目から10年目くらいの中間層に多くみられます。
恐らく、自分のやり方で営業を進めて言って、それでうまくいってしまったので、このスタイルでいいのだと自信を持ったのでしょう。
しかし、このタイプの営業マンは、相手が精神的に弱い人でなければ成功しません。
また、決定権者に対しては通用しません。
ですから、当初相手をしてくれる担当者に対しては、有効な手段ではあるかもしれませんが、最終的な決定の段階ではねられてしまいます。
まず、ゴリ押しするタイプの営業マンは、あまりへりくだりません。
へりくだる必要なんてないと思うかもしれませんが、丁寧で優しく誠実な印象を与えることができなえれば、嫌悪感を与えてしまいます。
ゴリ押しタイプの人は、上から目線であったり、偉そうな態度に感じてしまうような話し方や振る舞いをします。
恐らく自信を持って堂々と話しているつもりなのでしょうが、もっとソフトな振る舞い方をしなければ、相手は最初から身構えてしまいます。
こういったタイプの営業マンは、中々折れません。
料金交渉をしてもまけるつもりがないので融通がきかないと思われます。
やがて対応するのが面倒くさいと思われるようになります。
面倒くさいと感じさせてしまった時点で、その営業は失敗しているのですが、彼は気づかないでしょう。
とにかく一度話を聞いてほしい、上司に合わせてほしいの一点張りです。
つまり、キーマン以外と話すのは時間の無駄だと言っているのです。
しかし、決定権を持っているキーマンというのは、重要な案件が集中しやすいのでわざわざ初見の営業マンと会う暇はありません。
そのために部下がいるのです。
部下に話を聞かせて、よさそうな会社か部下がある程度判断し、その上で、何か需要が発生した場合に選択肢の一つとして提案されれば、採用するかどうかを検討するといった程度なのです。
それなのに、最初から決定権者とだけ話ができると思っているのであれば、立場をわきまえない非常識な行動です。
しかし、困ったことに、頑として会わせてもらうまで動こうとしません。
体育会系の人に見られる傾向でもあります。
でもどんなに頑張ったからといっても、担当者は上司に会わせることはしません。
そんなことをしたら自分が怒られてしまうからです。
では、こういうタイプの営業マンの相手をする側の立場に立って、対処法を考えます。
この場合には、同じ姿勢で臨むのがベストです。
つまり、頑として「それはできません」を繰り返すということです。
最初は、にこやかに対応してもいいでしょう。
そして相手が諦めるまで同じセリフを言い続けるのです。
しかし、それでも引き下がらないのであれば、若干イラついてみせるのもいいでしょう。
相手をイラつかせたり、怒らせてしまったりしては、もはや引き下がるしかありません。
また、今後訪問しても受付で断られてしまうでしょう。
ゴリ押しタイプ外らがられる理由は、とにかく強引に押してくるので、その商材が本当に良いものなのか、自分たちにとって必要なものなのかを、教えてくれると思えないからです。
こちらの得にならないものであったり、重大な欠陥があったりするものなのに、平気で売りつけてられそうだな、と思われてしまうので信用されないのです。
もしゴリ押し営業をして、うまくいったとしても、そのスタイルで歳を取って経験を積んで行っても、いずれうまくいかなくなるでしょう。
もう一つ、信用できない営業スタイルは、脅しをかけてくるタイプです。
もちろん「買わなかったら、どうなるかわかっているんだろうな」などと言うわけではありません。
そんなことを言う営業マンだったら、警察を呼べば済む話です。
そうではなく、安全面を逆手にとって、「危険です。だから契約しましょう」と相手の恐怖心を煽って、契約を迫る、ということです。
これは保険会社や車のディーラーなど、安全、セキュリティが絡んでくる会社の営業マンに散見されます。
つまり、すばらしい未来を提案するのではなく、導入しなかった場合の悲惨な未来を想像させて、「契約しないと酷い目にあうかもしれない」と相手の不安を掻き立てるような説明をしてくるのです。
このタイプの営業マンで困るのは、既に取引をしている場合です。
契約更新などのタイミングで見直しをさせないようにしたり、新規契約時に料金をまけたくないときに、脅しを使います。
もし、まだ契約をしていないのであれば、脅しをかけてきたとしても取り合わなければいい話です。
しかし、既に取引しており、営業マンの方がこちらよりキャリアが長い場合には、イニシアチブをとることができるので、脅しをかけやすくなります。
よくわかっていない担当者であれば、脅しはてきめんに効きます。
営業マンが脅しをかけてきた場合には、もはやその営業マンは信用しない、と心に決めておきましょう。
信用できない会社と、どのように付き合うかと言えば、フェードアウトするに限ります。
いきなり契約を解除するのは難しいでしょうから、契約の規模を減らしていくとか、新規契約をしないようにするといったことで、徐々にその会社との取引量を減らしていくのです。
そして、よりよい条件を出している別の会社と相見積を取りましょう。
保険や車のディーラーの会社は、今まで取引がない場合には、かなりディスカウントしてくれる場合があります。
今までと同じ会社と契約をしておけばいいか、と消極的な態度をとっていると、相手に付け込まれてしまいます。
取引があったとしても、不穏な態度を見せたならば、すぐに他の会社に乗り換えるという姿勢を見せることで、脅しが効かないことを示しましょう。
脅されて契約するということは、安心を買うのと同時に、相手に屈服したという負い目を感じます。
この敗北感は、担当者にとっては気持ちのいいものではありません。
営業マンは、契約を取れればそれでいいと思っていると、相手は敗北感をぬぐうために、その会社との取引をなくし、他の、気持ちのいい対応をしてくれる営業マンとの取引に傾くかもしれません。
いずれにしても、無理やり契約を迫るような方法は、うまくいく場合があったとしても先は知れているのです。
もっと将来的なことを見据えて、自分のためになる営業スタイルを身につけましょう。