筆記試験のときには、静かに受けなければいけないのは当たり前のことです。
筆記試験では、答えた解答用紙の内容のみが判断材料になると思っている人も多いでしょうが、試験官が見ているのはそれだけではありません。
筆記試験中の行為や行動そのものが、目に余るものであれば、それも判断材料としてとりあげられます。
また、どこまでの行為が目に余ると判断されるのかは、それこそ試験官の胸先三寸で決まるので、不用意な行動はなるべく避けた方がいいのです。
今回は、その中の一つ、私語についてです。
試験中の私語には、「考え事を口にしてしまう」人と、「周りに対する文句」を言う人の2種類がいます。
問題を解いて、考えていることをつい口にしてしまうタイプです。
大半は小声ですが、人数が少なく試験会場が狭いときには、試験官にまで声が届いてしまうでしょう。
声に出さなければ考えをまとめられない人、というのはいます。
こういう人にはまったく悪気はありません。
試験など、人生を左右する場面では緊張もあるので、こういう癖は無意識にでてしまうでしょう。
しかし、だからといって、許されるかというのはその程度によります。
殆ど聞こえない声で呟いている程度であれば、気付くこともないし、周りもそれほどに気にならないので問題ないことが多いでしょう。
しかし、周りの人が気にしてしまうレベルの声の大きさであれば、それは周りに迷惑をかけていることを自覚できない人、と判断されるので、減点の対象になりえます。
減点と書きましたが、よほど結果を残さない限り採用してもらうのは難しいと言えます。
隣の人の鉛筆の書く音がうるさいなど、気になったことを聞こえるような音量で文句を言うタイプの人です。
この場合は、小声ではありますが、聞かせるために言っているので、注意深く耳を澄ませば何を言っているのか聞こえます。
周りに迷惑をかける行為という意味では、そもそも鉛筆で大きな音を立てて書いている人も迷惑行為には違いありません。
しかし、鉛筆の書く音は、無意識的に行っているし、鉛筆で書くことを要求している試験なので、それは必要な音として認められることが殆どでしょう。
当人も必死に回答しているので、筆圧も高くなってしまうことはあることです。
もちろん、本来ならば周りに迷惑をかけているという意味では、同等の迷惑行為とみなしてもいいのかもしれません。
しかし、鉛筆の音が試験中にする、という日常でも起こりうる程度のことで、それが気になって問題を解けなくなってしまうような人がいたならば、しかもその人が小声で文句を言いだしたとしたら、試験官の目にはどう映るでしょうか。
集中力がない人だから、仕事の能力も低そうだ、と判断されても仕方がありません。
さらに、相手に聞こえるように文句を言うという行為は、怒りをぶつけていることになります。
落ち着いて隣の人に、集中できないから少し静かにしてほしい、と注意を促す前に、いきなり怒り出してしまうような人は、些細なことを気にして、突然怒り出し、手に負えなくなる可能性がある、と自らアピールしているようなものです。
また、その文句の声は、関係ない別の受験者にも聞こえている可能性があります。
自分が迷惑を被っているからといって、それをやめさせるために、隣の人以外の人にも迷惑をかけていい訳はありません。
いずれにせよ、試験中に話をしてはいけないというのは、筆記試験であれば当然のルールです。
そのルールを守れない人は、会社のルールも守れないだろうと思われます。
厄介者は最初から採用しないにこしたことはない、と判断されるということです。