面接試験において、「この人はやる気があるな」と思わせるには、沢山質問をすることです。
手っ取り早くやる気があると思ってもらうためには、相手の質問に答えるだけではなく、こちらからも意図的に質問をぶつけていくことです。
相手の質問に答えるということは、相手があらかじめ用意した質問に対して、こちらがアドリブで答えていくことになります。
もちろん事前に想定して答えを用意することはできますが、どのみち受け身になってしまいます。
受け身になるということは、こちらから攻めていくことができず、相手にリードを許してしまうことになります。
相手にリードを許しておいて、こちらがやる気があると思わせるには、相当にうまい受け答えができなければなりません。
これに対し、こちらから質問をするということは、こちらが先手を取って攻めに転じることができる、ということです。
相手はこちらから質問する内容を事前に聞いているわけではありません。
だから前もって答えを用意することはできません。
つまり、相手は常に受け身となり、アドリブで質問に答えなければなりません。
アドリブで答えることは、慣れていたとしても、人は誰でも多少は焦ります。
焦らせることができれば「おっ、この人はきちんと研究してきたな」と思わせることができます。
こちらが攻めに転じると、相手は防戦一方になり、「ここまで攻めてくるとは中々やるな…」と感心してもらえるかもしれません。
このことは相手の意識に強く残り、アピールの面でも非常に有利に働きます。
そのため、履歴書等に書かれている内容についての質問をされたら、一通り無難に答えられるようにしておき、いざ終わりそうになり「質問ありますか」と聞かれたときに、こちらから沢山質問をするのです。
もし「質問はありますか」と聞かれなければ、こちらから「質問をしてもよろしいでしょうか」と聞きましょう。
面接時に質問するためには、事前準備が欠かせません。
まず質問するために材料を集めましょう。
これは、会社案内やウェブサイトや販売している商品など、すぐに調べられるものでいいのです。
もちろん、業界内の立ち位置などの込み入った話でもいいです。
質問内容は、ある程度勉強をしてきたということが伝わらなければなりません。
何も調べていないような質問(例えば、「御社ではどのような製品を作っていますか」など)ではいけません。
また、「御社はどのようなポリシーで製品を作っていますか」という質問も、普通は会社案内やウェブサイトで紹介されています。
ですから、事前に入手できる情報をくまなく読み込み、その上で疑問に思ったことを質問しなければなりません。
また、よくわかっていないのに、質問をしているということを自分で理解しておきましょう。
相手にとって失礼な質問になることもあります。
そういうときに、「自分は良くわかっていないので」「間違っているかもしれませんが」というように前置きを置いて質問することで、相手の気持ちを逆撫ですることなく話をすることができます。
集められるだけ集めた情報ソースから、疑問に思うことを何でもよいので書き出しましょう。
まずは、何でもいいから書き出すのです。
そして、すべての疑問点を書き終えたら、そこからその疑問点に対して自分なりに答えをつけていきます。
業界のデータなどから推測できれば、そういったことも加味していきましょう。
その中で、どこかに答えが載っていたものについては、除外していきます。
こうして最低でも10項目の洗練された質問を用意します。
これがあなたが面接を突破するための武器になります。
これらの質問はメモ用紙に書きとっておきましょう。
質問をするときには、用意した質問項目すべてを暗記しておく必要はありません。
質問項目が多ければ覚えられなくても仕方ありません。
面接当日、あなたは質問項目を書いたメモ用紙をポケットに入れていきましょう。
面接では、一通り相手の質問が終わり、こちらが質問してもよさそうなタイミングになるのを待ちましょう。
そのタイミングとは、「質問はありますか」と聞かれた時、または「それではこれで終わります」と終りそうな時です。
このときに、「質問があるのですが、よろしいでしょうか」と切り出します。
質問があると切り出すと同時に、ポケットから質問項目を書いたメモ用紙を取り出し、「沢山あるのでメモしてきたのですが…」と言います。
すると、それだけで「オッ、そんなに研究してきたのか」とインパクトを与えることができます。
また、質問内容もしっかりと練ってきたものであれば、分かりきったことは聞くことはありません。
質問をするにしても、「自分ではこうではないかと思った」という自分なりの考えを知れているので、それについて正しいか正しくないか、ということを聞くことになります。
更に、正しいのであれば「なぜ正しいのか」、正しくないのであれば「なぜ正しくないのか」と質問を引き延ばして、多くの回答を引き出しましょう。
こうして、すべての質問に答えてもらうのに、30~60分程度の時間を遣わせることができれば、相当なインパクトを相手に与えることができます。
あなたの存在は、採用担当者の心に深く刻み込まれたことでしょう。
自分を雇ってもらうということは、いかに自分をアピールするかということです。
そのためには、このように作戦を練ることも大事なことです。
相手が作戦だと気付かずに、そのまま引っかかってくれれば儲けものだし、相手に、この手法が作戦だと気付かれたとしても、質問内容が的を射ているものであれば、作戦を練ったことを含めて感心されるでしょう。
この人は何かをするときに戦略を練って行動することができる、と評価されるでしょう。
質問項目を考えるというのは、自分を売り込む戦略の一つです。
この他にもあなたなりの売り込み戦略を考えてみましょう。