多くの会社では書類選考を突破できたら、次は筆記試験を受けることになります。
では、筆記試験にはどのようなものがあり、どのような対策をしておけばいいのでしょうか。
筆記試験には、ある特定の試験を開発している会社に依頼する方法と、企業で独自に作成したものがあります。
開発会社が提供する筆記試験の主なものは、以下のようなものです。
これ以外にも様々な筆記試験が開発されています。
リクルート社が開発した試験です。
SPIとは、Synthetic Personality Inventoryの略で、能力及び性格の両面から、その人の資質を評価する試験です。
試験内容は、言語能力を測るもの(日常的な言葉の表現力や文章力)、非言語能力(仕事で利用する簡単な数学など)、性格適性検査の3つです。
出題される問題は、中学レベルの簡易なもので、制限時間内にどれだけの問題を解けるかによってその能力を測ります。
リクルート社が開発した試験です。
非常にポピュラーな適性検査で、現在SPIといえば、SPI2のことを指しています。
この手の試験を採用する会社の多くは、SPI2を採用していると言われています。
リクルート社が開発した試験で、正式には、英語能力検査ENGといいます。
便宜上、「SPI英語能力検査」とか「英語SPI」などと呼ばれています。
高校レベルの英語の能力(Reading、Writing、Speaking、Listening)を見る試験で、語彙・文法・文章読解力を30分で何問解けるかを見るものです。
エス・エイチ・エル社が開発したもので、正式名称を「コンピュータ職適性テストCAB」といいます。
その名の通り、SEやプログラマーといった、コンピュータ職を採用する際の適性を見るために利用されます。
また、能力的なものだけでなく職務適性もみます。
試験内容は、暗算、法則性、命令表、暗号、パーソナリティがあります。
制限時間は95分です。
エス・エイチ・エル社が開発したもので、正式名称を「総合適性テストGAB」といいます。
新卒の総合職の採用をするときに利用されます。
知的能力(言語、計数)と、パーソナリティを調べる性格診断及び職業適性を診断します。
バイタリティ、チームワークといった特性、マネジメント適性、営業、研究・開発などの職務適性を90分の試験で予測します。
エス・エイチ・エル社が開発したもので、正式名称を「総合適性テストIMAGES」といいます。
受験者が大量にいる場合に、より短時間で能力を測定するための試験です。
計算能力、言語能力、性格診断からなり、60分程度の短時間で済むようになってしまいます。
日本経営協会総合研究所が開発した試験で、正式には「SCOA総合適性検査」といいます。
心理学や統計学を利用し、基本能力(知的能力)と性格・意欲をみることで、人物を客観的に評価する試験です。
試験には、基礎能力検査(SCOA-A・F)、パーソナリティ検査(SCOA-B)、事務能力検査(SCOA-C)の3つがあり、SCOA-A・Fでは、高卒~大卒レベルの言語・数理・論理・英語・常識問題が出題されます。
SCOA-Bでは、クレッチマーの気質理論を基にした気質類型をベースに、性格・意欲・態度を客観視します。
SCOA-Cでは、事務能力に必要とされる照合・分類・計算・読図・記憶を測定します。
日本文化科学社が開発した試験で、正式には「適性検査TAP21」といいます。
言語・数理などの基礎能力を見る能力検査と、職務意欲などのパーソナリティをみる性格検査を60分の試験で判定します。
そのほかオプションで、英語、事務適性、情報処理適性などを組み合わせることもできます。
リクルート社が開発した試験で、事務処理能力をみるものです。
性格診断を含んだものをSPI2-Rといい、含まないものをRCAといいます(正式名称:事務基礎能力検査RCA)。
試験内容は、分類(情報を早く正確に整理する能力)・概算(おおよその数値を計算する能力)・文章照合(文章を早く正確に照合する能力)・基礎能力からなります。
金融系の会社で採用されることが多いと言われています。
リクルート社が開発した試験で、事務能力を測定するものです。
性格診断を含んだものをSPI2-Nといい、含まないものをNCAといいます(正式名称:事務能力検査NCA)。
試験内容は、事務処理(照合(記号や文字を早く正確に照合する能力)・表読み(表から正しく情報を読み取る能力)・置換(数学と文字を素早く置き換える能力))、計算、感じの読み書きからなります。
エス・エイチ・エル社が開発した試験で、正式には「事務職適性テストOAB」といいます。
事務職としての適性を測るもので、機器の操作能力、数字データの間違いを短時間でチェックする能力(注意能力)と、パーソナリティ(性格診断)を50分の試験でみます。
日本・精神技術研究所が開発した試験で、人の潜在的なパフォーマンスを総合的に判定するものです。
試験内容は、一行の足し算を1分ごとに行を変えながら合計30分行い、全体の計算量(作業量)、1分ごとの計算量を誤答から、能力面と性格や行動面の特徴を測定します。
企業が独自に、受験者の作文能力をみるために、小論文や作文を実施することがあります。
多くの場合、時事問題やその企業に関する問題を扱ったテーマが取り上げられ、それを制限時間で制限文字以内に収めて書くようになっています。
もちろん制限時間で書き終わらなければ、点数は低くなりますし、制限文字をオーバーしても極端に少なくても減点対象です。
対策としては、常日頃から時事問題やその企業に関するニュースに触れるようにして、自分なりの意見を持つようにしておくことです。
単純な事務処理能力など、その会社で必要とされる能力をみるために、独自に開発することがあります。
その会社がどんな能力を求めているのかは、どのような職務があるのかによってある程度の予想はつくでしょう。
また、英語を使って仕事をするのであれば、当然その能力をみる試験もあると考えられます。
過去にその会社を受けた人が、その体験をつづっているかもしれません。
殆どないとは思いますが、あらゆる可能性を考えて、調べてみるのもいいかもしれません。