OB・OGとは、あなたが受けようと思っている会社に既に勤めている、あなたと同じ学校を出身校としている社員のことです。
その人に連絡を取って、事前に会うことで、採用に有利になると考えられています。
しかし、実際はどうでしょうか。
OB・OGに会うことで期待できることは、会社の実情を聞くことのみです。
もし、OB・OGに会っておくことで、採用試験時に有利になると考えているのであれば、そういったことは殆どの場合はありません。
有利になる場合というのは、そのOB・OGが人事権をもつ高いレベルの地位に就いている場合だけです。
しかし、多くの場合、入社して5~10年程度の一般社員がOB・OGであるので、企業の一つの歯車でしかない彼らには、あなたを入社させる力もコネもありません。
ですから採用に関して優遇されることはありません。
では、OB・OGに会うことは無意味なことでしょうか。
まったく無意味、ということではありません。
あなたが彼らの後輩にあたるのであれば、それなりに親身になってくれるでしょう。
ただし彼らには人事権はありませんから、あくまでもあなたが入ろうとしている会社は、どんな会社であるのか実情を教えてもらえる人、というだけです。
あなたは、OG・OBが、どのような仕事をしているのか、どのようなことを任されているのか、人間関係はどうか、部署による違いはあるか、会社の雰囲気はどうか、ここ数年で辞めた人がいるかなど、聞きたいことを聞くことができるでしょう。
また、もっと突っ込んで聞けそうであれば、会社の制度・慣習やお金のことについても聞けるかもしれません。
ただ、OB・OGに悪い印象を与えるようなことを聞いたり言ったりするのは避けましょう。
彼らには人事権はありませんが、それでも印象の悪かった人については、「あいつはダメだ」と進言することはできます。
不思議なことに、「あの人はいい人だから採用した方がいい」というような進言はしてくれないものです。
ですから、OB・OGには節度ある態度で接し、嫌われないように心がけましょう。
OB・OGは、あなたが事前に調べた母校を同じくする先輩社員ですが、企業側が指名した、採用担当者の補助役として、面接などに携わる一般社員が、接触してくることがあります。
彼らのことをリクルーターといいます。
彼らは採用にある程度の力を持っています。
ですから、こちらが言ったこと、態度、服装などは、人事担当者に筒抜けになっていると考えておきましょう。
リクルーターには印象を良くしておくと、有利になることもあります。
当たり前のことですが、リクルーターは自分がリクルーターであるとは教えてくれません。
見分けるには、こちらが指名した人と違う人がでてきたら、その人はリクルーターかもしれない、ということです。
リクルーターの役割は、ごく初期の段階でふるいにかけるための面接官です。
面談する場所は、喫茶店などを指定されることになります。
もちろん気楽に話をできる場ではありません。
あなたは採用面接と同じ緊張感を持って接しなければなりません。
この時点から選考は始まっているのです。