誰でも一度は経験するのではないかと思うことの一つが、迷惑電話です。
どこからか卒業アルバムの名簿や社員名簿が出回ってしまうのでしょうか。
ある日を境に、土地売買やらマンション経営、株式投資といった電話営業がかかってくるようになります。
これらの電話は、まったく仕事に関係なく、個人的な内容なので、会社にかけてこられるのは仕事の時間も奪われてしまい、非常に迷惑です。
また、この手の電話は、簡単に引き下がらず、断っているにもかかわらず、延々と話し続けるので、付き合っているときりがありません。
今回はこういった迷惑電話に対してどのように対処するか、ということをテーマとして、手っ取り早い方法を考えました。
手っ取り早く迷惑電話を断る方法には、以下の2つのパターンがあります。
まず電話がかかってきたら、とりあえず普通に挨拶をして話を聞きます。
そして、土地売買、マンション経営、株式投資といった具体的な内容に入った時点で、一言だけ言いましょう。「まったく興味はありません」と。
そして、有無を言わさずそのまま電話を切ってしまいます。
相手が話をしている途中であっても構いません。
相手の返事を待つ必要もありません。
わたしの経験からすると、電話を受けて30秒以内に切ってしまうのが一番良い方法です。
一度でも受け答えして相手の話を聞いてしまうと、延々と話し続けられてしまいます。
相手が諦めるのを待っていても、相手は決してあきらめません。
あなたが話を聞く時間が、長くなればなるほど、「こいつはいつか落ちるかもしれない」と思われてしまうのです。
そうなると、今回は断ることができたとしても、次回、その次、と何度でも短期間に電話がかかってくるようになります。
ですから、とにかく有無を言わさず短時間で電話を切ってしまうことです。
「今忙しいので」なんて理由を言う必要もありません。
興味がないとだけ伝えればいいのです。
この電話対応の仕方は、ビジネスマンとしてはあり得ないやり方なので、初めてやる場合には、とてもやり辛いかもしれません。
周りの人に「なんだあの電話対応の仕方は」と思われるかもしれないからです。
しかし、そんなことを気にしていては、あなたがカモになってしまいます。
カモにならないまでも、実際あなたの仕事の時間がそのせいで食いつぶされてしまうのですから、さっさと電話を切って業務に戻りましょう。
周りの人には、電話を切った後で迷惑電話だったということを伝えておけばいいのです。
また、慣れればどうということはなくなります。
初めに「~に興味がありますか?」と聞いてくる場合には、「まったく興味ありません」→電話を切る、という対処をします。
迷惑「もしもし○○様ですか?」
あなた「はい」
迷惑「マンション経営に興味をお持ちですか?」
あなた「いえ、まったく興味ありません」
問答無用に電話を切る。
話をダラダラして中々本題に入らない場合には、「土地」「マンション」「株」「資産」といったキーワードが出てきた時点で、「興味ありません」と答えて、そのまま電話を切ってしまいましょう。
迷惑「もしもし、○○様ですか?」
あなた「はい」
迷惑「(本題以外の話)」
あなた「(無言または「はぁ」という相槌)」
迷惑「…土地取引(というキーワードが出現)」
あなた「まったく興味ありません(話の途中でも割り込んで言う)」
問答無用に電話を切る。
心が痛むといっても自分の心にダメージがあるかもしれない、という意味です。
前出の方法でも、やり辛さを感じるかもしれませんが、こちらの方法の方が精神的なやり辛さは強いかもしれません。
それは、相手がこちらの名前を確認してきた段階で、「先日亡くなりました」と答えるということです。
どうやら、「死亡していたら連絡リストから外す」という業界のルールがあるようです。
わたしはこの方法を3回ほど試してみたことがあります。
すると、何日おきかでかかってきていた電話がピタリとやみました。
もちろん、電話がかかってこなくなったからといっても、いずれはまた、どこからか名簿が流れれば電話がかかってくることもあります。
しかし、この方法を使えば当面は電話がかかってこなくなります。
ただ、自分を死んだことにしてしまうので、縁起が悪いしちょっと気分のよくありません。
また、相手が本人確認してきたときに言わなければならないので、相手が名乗ってきた時点で「迷惑電話である」と判断しなければなりません。
間違っても通常の取引先の相手に言わないように注意しましょう。
明らかに迷惑電話とわかる電話が、他の人宛てにかかってきた場合、どう対処すればよいでしょうか。
まずは、本人に普通に回しましょう。
そして、その電話が終わった時点で、迷惑電話であったのかどうか確認しましょう。
それから、今後同じような電話があった場合、どのように断ればいいかを確認します。
つまり、外出しているのか、会社を辞めたことにするのか、死亡していると言ってもいいのか…。
気を付けなければならないのは、本人がいないと伝えた時に、迷惑電話の主は、ターゲットをあなたに変えてくることがあることです。
このとき、決して自分の名前を教えてはいけません。
教えた時点で、あなたが迷惑電話をかけるリストに登録されてしまいます。
もし名前を聞かれたら、「個人情報なので伝えかねます」ときっぱり断るか、それができなければ偽名を使いましょう。
とっさに偽名がでないのであれば、普段から考えておきましょう。
そして、偽名宛てに電話がかかってきたら「そのような者はおりませんが」としらばっくれればいいのです。
ここで典型的な迷惑電話に対する間違った受け答えを紹介しておきます。
これはいずれも実際にあった事例です。
優しい人やまじめな人にありがちな受け答え方法です。
こういう人は、無下に電話を切るのは失礼にあたるとか、悪くてできないという思いやりをもってしまったがために、丁寧に応対してしまいます。
相手は迷惑電話をかけているだけです。
そういう人は、優しい人や真面目な人の心に付け込むことは、最も得意とするところです。
彼らは幾ら断っても話をやめることはありません。
「忙しいので今はいりません」「そうですか、それでこの商品なんですが…」とまったくこちらの話を聞かずに話し続けます。
そして長く話を聞いてしまうほど、「今回はこの程度にしておこう。でも何度かけていればいずれは落ちる可能性があるな」と思われてしまい、何度も電話がかかってくるようになってしまいます。
理屈っぽい人、周りの空気を読まずに怒る人などに多い受け答え方です。
こういう人は、「迷惑なので二度と掛けてこないでほしい」という主旨の断りを、理路整然と、そして毅然とした態度で、かつ若干怒り気味に諭すような口調も交えて伝えます。
さらに、短時間で話を終わりにしません。相手が言うことを聞くまで、とにかく相手の言葉にかぶせて言い聞かせ続けます。
断っている本人としては、相手に怯まず、途中で逃げることなく断ったという満足感があるかもしれません。
しかし、これをやってしまうと、相手は怒ることがあります。
迷惑電話を勝手にかけてきておいて、怒るとは理不尽なと思うかもしれません。
その通り、理不尽です。
そもそも迷惑電話をかけているのですから理屈など通用しません。
彼らを一度怒らせてしまうと、営業妨害ともいえるようなことをしてきます。
例えば無言電話を際限なくかけてきたり、酷い剣幕でクレーム電話をかけてきたりします。
このような受け答えをしたために、1時間以上無言電話を掛けられた人もいました。
これは、その部署にかかってくるので、その人だけの問題ではなくなります。
そこで働いている人全体が迷惑してしまいます。
迷惑電話の主に対して、個人情報保護法を盾に、「なぜ私のことを知っているのだ、個人情報保護法違反ではないか」と文句を言ってみたとします。
しかし、相手はそのようなことは言われ慣れています。
なんだかんだと嘘八百を並べ立てて個人情報保護法違反にはあたらないと言ってきます。
こちらが何を言おうともそれは既に言われ慣れていることなので、問答集を用意しています。
嘘も当然言ってきます。
彼らとまともに会話ができると思わないようにしましょう。
迷惑電話への対応は、あなたの仕事を奪う不要な時間でしかありません。
受け答えしている間、不快な思いをするので、休憩にすらなりません。
つまりできるだけ早く切ることが最もダメージを小さく抑えることになります。
とにかく、30秒以内にきっぱりと断ることです。
あなたが話すセリフは「はい」と「まったく興味ありません」の二言だけでいいのです。
最初の「はい」は、電話を取った時に本人確認への返事です。
次の「まったく興味ありません」は、相手が話してきた本題に対する返答です。
30秒で済ませれば、相手の印象にも残らないので、嫌がらせを受ける確率も減ります。
また多くの人はこのように有無を言わさず切っています。
しかし、この方法であっても100%ではありません。
やはり中には逆恨みして何度も電話をかけてくる人がいます。
そういう人への対処法は、「迷惑電話の対処法~その2:法律に照らし合わせた対処法」をご覧ください。