仕事においては、同じ部署の人、世代の違う人、管理職の人、違う部署の人など、様々な立場の人とかかわることになります。
学生の時のように、自分の接しやすい人とだけ話していれば済むわけではなく、苦手なタイプであっても仕事を進めるためには、関わりを持たなければならなくなります。
あなたに同期が多くいて、部署がバラバラになったとしても、交流を続けておくことは、仕事をしていくうえで大切な財産になります。
しかし、立場によって言っていいことと悪いことがあります。
今回はその中でも部署の違いにスポットをあてます。
部署による立場の違いで、最も大きな違いが出るのは、残業代がしっかりつく部署と殆どつけられない部署との関係です。
例えば、内勤の部署と外を回る営業部との関係がそれにあたります。
簡単に言うと、営業部は、自らの足と能力で商品を売りさばき、お金を稼いでくる部署です。
それ以外の部は、その稼いできたお金を遣って仕事を回す部署です。
もちろん企画部が商品企画をし、製作部が商品を作らなければ売るものがありません。
また、経理部がコスト管理をして、総務部が人事や雑事を受け持つというように、すべての部には存在意義があります。
必要のない部があるならば、無駄なコストなので淘汰されるはずです。
今現在残っている部署というのは、必要な仕事があるということです。
このようなことは理屈では分かっているかもしれません。
しかし、営業部は「自分たちが会社に金をもたらしているんだ」という自負を、他の部署よりも強く持っている傾向にあります。
だから営業部の人と飲み屋でうっかり残業代の話でもしようものなら、「我々はがんばって働いて残業代もつかないのに、お前はそんなにもらっているのか」と怒る場合があります。
営業部は外回りが多いので、多くの企業では残業代が支払われません。
それに対して、内勤であるそれ以外の部署は、残って仕事をしたら残業代をもらうことができるケースが大半です。
残業をすればするほど、営業部との収入には差がついてしまいます。
それを恨まれてしまうのです。
ですから、残業代がつかない人に対して、カネの話は禁物なのです。
それ以外にも、納期管理の問題で、部署間で見解の違いがあることもあります。
モノを企画・製作する部署と、できたモノを生産ラインに乗せて販売できるようにする部署、それらを販売する部署とでは納期に関する意識が異なります。
部署と部署では常にそのような納期の問題がつきまといます。
企画部はいいものをつくるために、多少の納期遅れは仕方がないと思っています。
しかし、生産ラインに乗せる製造部では、店頭に並べる納期に間に合わなければ困ります。
納期を遅らせる側は、自分たちが売れるモノをつくるためにやっているのだから、多少の遅れは他の部署が調整すればいいと考えています。
納期が遅れることが当たり前と思っている人と、納期を送らされたために迷惑している人とでは、やはり相容れません。
言っていいことと、言わない方がいいこと、の2つを見分けて空気を読んで行動することが、仲間を失わないコツです。
残念ながら、企業には仕事という目的がある以上、へまをすれば「あいつが足を引っ張ったから」という目で見られることもあります。
ですから、同じ会社に勤めていても、利害関係があれば本当の意味での友達はできにくいものなのです。
飲み屋にそういった異なる部署の人と飲みに行くことがあったとしても、言ってはならない愚痴や自慢がある、ということを覚えておきましょう。
会社には友達を作りに行っているわけではなく、生活費を稼ぎに来ているのだということを肝に銘じましょう。
仲間や友達をつくることは人生において大事なことですが、ほとんどの人は、生活をかけているのですから、わきまえるところはおさえておきましょう。