昨今、伝達には電子メールを使うということは、もはや当たり前になっています。
あなたは、だからといって、社内の人に対してお願い事をするときや、質問をするときに、メールで済ませていませんか?
大きなビルで階が離れているならまだしも、同じフロアであったり、同じ島のテーブルの同僚に対してもメールで連絡をしていないでしょうか。
メールにも利点があります。
まず、伝えたいことを漏らさず一方的に伝えることができます。
更に、本人が誰かに見せない限り本人以外に知れ渡ることがありません。
また、以前送ったメールは履歴として残るので、いつでも確認することができます。
コンピュータで保存するので検索して探すこともできます。
つまり、伝達内容を忘れることが少なくなります。
一方で、メールにはデメリットもあります。
何らかの手違いで届かないことがあっても、確かめることができません。
また、メールで連絡するということは、相手と面と向かって意思疎通をする必要がないので気楽になるのですが、この気楽さを利用して休む時の伝達もメールで済ませてしまう人がいます。
こういうメールの使い方はメールに気付かない場合や先ほどの書いたメールが届かないこともあるので、よしとされていません。
「後ろめたいことがあるからメールで済ませているのかな」とか、「メールだけで済ませるとはいい加減なやつだ」と思われてしまいます。
さらに、メールだと履歴が残ることは利点でもありますが欠点にもなります。
つまり、言質を取られるということです。
さて、このようにメールの連絡にはメリットとデメリットがありますが、仕事の頼みごとや質問をするときに、メールで行ったらどうなるでしょうか。
頼みごとや質問というものは、相手の時間を奪う行為です。
あなたの頼みごとや質問に答えるために、自分の時間を割かなければならないからです。
頼んでいる側が、メールを使うことで全然自分の時間を使わずに楽をして、相手にだけ苦労を掛けるわけですから、頼まれた側は不快かもしれません。
また、その頼みごとや質問が、あなたの意図したとおりに伝わっていなければ、相手が調べたことが無駄になったり、あなたの質問の意図を探るための反問をするというアクションを起こさなければならなくなったりします。
このようにメールで連絡を済ませてしまうことは、相手を不愉快にさせるだけでなく、場合によっては「不愉快だから後回しにしよう」「無視しよう」ということになってしまったら、いつまでたってもあなたの仕事が進まないばかりか、人間関係も悪化してしまいます。
このようなメールで起こる問題は、実は電話やFAXでも起こります。
同じ社内にいるのに、電話で頼みごとを済ませることは、ときに相手を不快にさせることがあります。
相手が先輩や管理職などの目上の立場の場合には、相手の人となりを考慮して、直接顔を合わせて話さないとかえって厄介になるケースがあるということです。
それは、「頼みごとなら足を運ぶべきだ」と思っていたり、あなたが伝えたい内容を全く理解できない人だったりする、ということです。
いずれにしても、あなたにとって時間短縮でも相手にとっては大幅なロスタイムになったり、そもそもあなたにとって時間短縮にならない場合がある、ということを忘れないようにしましょう。
このような問題を回避するためには、出向いて話すことです。
電話だと伝達事項がうまく伝わらないことはよくあります。
細かいニュアンスは顔を見て伝わっているかどうかを確認しながらでなければわかりません。
耳で聞いているだけなので、伝えても忘れられてしまうこともあります。
相手にきちんと伝えたい重要なことならば、直接相手に話すことはもちろん、相手がメモを取っているか確認して、とっていないようならばメモを渡す位の慎重さを持っていてもいいでしょう。
また、支社などの離れた場所にいる人に、FAXを送る場合も同じです。
いきなりFAXを送っても、それが送信エラーで届かなかったら気づいてもらえません。
また、渡すべき相手に渡らず、誰かが間違えて持って行ってしまったら、伝わりません。
FAXを送るのであれば、同時にFAXを送る旨を電話で伝えましょう。
以上のように、伝達1つとっても、丁寧にやるべき場面と、メールや電話で済ませても構わない場面があります。
どうしても聞いてほしいこと、すぐにやってもらわなければ困ることは、直接出向いて話をすることです。
メールやFAXを送るにしても、それを送ったという事実を必ず相手に伝えなければ、伝わっていないことがある、ということも念頭に置いておきましょう。