仕事は機械的にこなしていればいいものではありません。
そこには必ず人がいます。
人がいるならば、必ず感情が介在します。
たとえ一人しかいない職場であったとしても、部署というのは他の部署と何らかのつながりがあり、そのつながりの中で仕事が回っていきます。
つまり、あなたの仕事は誰かの仕事と必ずリンクしているのです。
「どうせこの人と一緒に仕事をすることはないから」と、愛想悪く対応してしまうと、「嫌な奴だ」という印象を相手に与えてしまいます。
愛想悪く対応された人は、自分の部署で、「あいつは嫌な奴だ」と話をするかもしれません。
すると、それを聞いた他の人がさらに別の人に話をします。
噂とは、このようにして広まっていくのです。
会社を構成するのは人ですから、そこにいる人たちとうまくやっていくことができなければ、相手にされなくなってしまいます。
相手にされないと、仕事にかかわる大事な情報が入り辛くなったり、協力してくれなくなったりしてしまいます。
すると、自分の仕事がうまく回らなくなり、その結果「あの人は仕事が遅い」「仕事ができない」と評価されてしまいます。
それ以前に「あの人は嫌な奴だ」という噂が流れていて、実際に話をしてみて愛想が悪かったら、「確かに嫌な奴だ」と噂が事実として定着してしまいます。
協調性のある行動をするためには「協調性がない振る舞い」とは、どのようなものかを知ることが近道です。協調性のない振る舞いの特徴を以下に列挙します。
例えば、「飲みに行こう」と誘われても、きっぱり断る人は協調性がないと思われます。
何かの誘いを受けた時に断るときは、「それならば仕方がない」と思わせる理由が必要です。
「用事があるからいけない」でも構いません。
それが嘘だったとしても、相手にばれることがなければいいのです。
そして、残念がることです。
よくない断り方は、 「飲みに行っても得るものがないので」「お金がもったいないので」「仕事とプライベートは区別してるので」というような、ただ単純に行きたくないから行かないという、本当の理由を言ってしまうことです。
毎回断るのが面倒なので、初回に行かない理由を言っておけば、今後は誘われないだろうと、「誘われても時間がもったいないから行かない」と宣言してしまうのはダメだということです。
面倒なことや嫌なことを、躊躇せずに断ってしまったり、自分がやりたいことを周りの空気を読まずにやってしまったりするというような、我慢のできない人は、協調性が低いと思われてしまいます。
特に多くの人が同意していることに対し、反意を示すことは、空気を読めない人間であることをアピールしているのといっしょです。
また、反意を示した場合でも、他にアイディアを出すのであればまだしも、協調性のない人の多くは、反対するだけで自分の意見は述べません。
人が困っているときに、それがわかっているにも拘らず、あえて無視する、ということです。
無視する理由は、他にも人がいるから大丈夫だろうとか、自分は忙しいから構っている暇はない云々でしょう。
でも、あなたの近くで困っている様を表現しているということは、あなたに助けてもらいたいということなのです。
協調性をアピールしたいのであれば、こういうときにこそ助けてあげるべきなのです。
ただし、常に人から頼まれて、自分の仕事が進まないという人は、上司に「周りの人があまり自分をあてにしないようにしてほしい」と相談しましょう。
上司から、他の人に「仕事が進まなくなるから、あの人に助けを求めないように」と言ってもらえば、堂々と無視して構わなくなります。
多くの人が従っていることに対して、まったく気にせずに、自分の思った通りにしか行動しない、ということです。
人は違和感を嫌う生きものです。
暗黙の了解ともいうべき事柄について、それをくみ取って行動せずに、「だからどうした」とその流れを破壊してしまう行為は、協調性がないといえるでしょう。
たとえば、エスカレーターで左側には立ち止まっている人、右側は上っていきたい人、という暗黙の了解があります。
その行動自体はエスカレーターの使い方として推奨されていません。
エスカレーターに乗りながら動くことは、危険とされているからです。
しかし、誰かがエスカレーターの乗り方について、その場でレクチャーしているわけではないので、右側に立ち止って乗ることは、右側は上るものだと思っている大多数の人からしたら、常識知らずで協調性がないとみなされてしまいます。
その行為が正しいか、そうでないかは、その場面や習慣で決まります。
「郷に入っては郷に従え」を実践することが協調性を培う第一歩です。
何か話を振られても、それに一言返事をするだけで、その後話が続かなくなってしまう人がいます。
こういう人は、何を話しても、そんな感じなので、「あの人と話をしても面白くないからやめよう」となってしまいます。
たとえば、あなたが何かYes/Noで答えられる質問をされたとします。
それに対し、本当にYes/Noで答えてしまっていたら、そこで会話は終了です。
更に相手が質問でもしてこない限り、進展は望めません。
こんなときは、Yes/Noで答える以外に、更に二言三言加えて返すか、反対に質問を返しましょう。
「映画観るの?」
「映画はあまり観ません」
「映画観るの?」
「映画はあまり観ませんが、~は観ました。何かお薦めありますか?」
以上のことを踏まえ、協調性のある振る舞いとは、以下のようなものになります。