仕事をしていると、様々なストレス要因が発生します。
それは9割方は人的な問題によります。
ストレスは感じなければそれが一番なのですが、ストレスを感じてしまったら、それを解消しなければなりません。
ストレスを解消する方法として一般的に、仕事と関係のないプライベートなところで、運動や食事、趣味をするという行為を挙げることがありますが、それでは根本的なストレスの解消にはなっていません。
原因となった問題が解決していなければ、仕事に戻れば再び同じストレスに気を病むことになってしまいます。
今回は、そういったストレスの解消法についての話ではありません。
その代りに、ストレスの予防として役立つ方法の一つとして、「無言の力」を紹介します。
ストレスの中でも厄介なものは、因縁をつけられることです。
もちろん、他の人から因縁をつけられてしまうのですから、それなりの理由があるのでしょう。
まずは、その理由が何であるのかを考えてみましょう。
そして、あなたに問題がありそうであれば(思い当たる節があれば)、それを改善していきましょう。
問題なのは、「こいつは仕事をやってなさそうだ」という相手の思い込みや、「生理的に腹が立つ」というようないわれのない因縁です。
このようなときには、きっぱりと怒りを表明してみせれば、それで相手は怯み、以後は嫌がらせをしてこなくなるかもしれません。
ただし、怒りをしっかりと見せていいのは、相手が同等の地位か自分よりも下の立場にある場合のみです。
相手が部長や役員クラスのような目上の人だったら、「あいつは目上に対して怒った」ということが問題視されて、それこそあからさまな嫌がらせを受ける羽目になるかもしれません。
相手が嫌味なことを面と向かって言ってきたときには、あえて無視してみましょう。
目の前で、あなたの名前を呼んで、あなたの目を見て、嫌味を言ってきたとしても、それに対しては一切答えないようにします。
その人が別の部署の人であれば、あなたがその人のそばにいるということは、何らかの用事があるわけですから、用事だけを無言で済ませて終わったら引き上げてしまえばいいのです。
相手の誹謗中傷はただの雑音程度に考えます。
あなたは会社に来ている以上、暇ではないのですから、仕事を優先して行動すればいいのです。
なぜこのような振る舞いをするのかというと、相手があなたに嫌がらせをしてくる場合、必ずあなたの反応を見ています。
そして、あなたが困っている様子や任されている様子を感じ取り、満足感を得ているのです。
ですから、あなたが何も反応をしないということは、それ以上の進展が望めないわけですから、相手に違和感や居心地の悪さ、自分が相手にされていないという敗北感を与えることになるのです。
しかし、このような振る舞いをいかなる場合においても行ってしまうと、ただ感情的になっていて、しごとにまでプライベートを持ち込んでしまっていることになります。
これでは、きちんと仕事をしていないことになりますし、また、無視された相手の怒りを加速させることになってしまい、事態は収束せずに悪化してしまいます。
ですから、無視をするといっても、それは相手の誹謗中傷や嫌がらせ、嫌味を言っているときだけにします。
ひとたび、話題が仕事のことになれば、これまでと同様、事務的に、かつ感じよく、相手とコミュニケーションをとって、スムーズに仕事を遂行しましょう。
「何も答えない=相手を無視する」という態度は、相手が明らかに誹謗中傷をしてきたときにだけ使います。
それ以外の、「仕事で必要な会話」や「他愛のない日常会話」であれば、普通に接したり、時には楽しく話をするようにしましょう。
こうすることで、「誹謗中傷すると相手にしてもらえないけれど、普通に接すればコミュニケーションをとれる」ということを相手に教育するのです。
最初のうちは、無反応、無言になると、相手はあなたへの怒りを増幅するでしょう。
しかし、あなたが仕事上の話や誹謗中傷ではない日常会話においては、普通に話をするという態度を一貫して採り続けていれば、「あなたの失礼な態度を受けて、わたしは不愉快である」というポーズを示すことになります。
これを続けていれば、どんな人であっても伝わります。
こうすることで、状況もよくなってくるし、あなたが心の中で「この人は頭の悪い人だから、わたしが教育してあげているのだ」と思っていれば、それなりにストレス解消になることもあります。
要は、あなたは弱みを見せずに、毅然とした態度で、一貫した姿勢を貫き通すことが大事なのです。