よく体育会系の人の方が裏表がなく、ハキハキと明るくて上下関係を大切にするので、使いやすいということを言う人がいます。
しかし、体育会系と文化系の人には、それぞれ特徴や得手不得手があり、適材適所を考えるならば、両方ともバランスよく採用するべきです。
傾向として、体育会系の人は、非常にストレートで上司から言われたこともよく聞き、扱いやすい社員です。
しかし、その反面、納得がいかないことには明らかな不快感を表現したり、反発したりすることもあります。
最初のころは従順でも、慣れてくると自分の方が上だ、というように誰が上なのかというような、社内でのランキングを気にする傾向にあります。
人と接することが得意で、コミュニケーションをとることを大事にしており、チームワークを好みます。
逆に、細かい仕事やよく考えた上で遂行しなければならない仕事にはあまり向いていません。
また、筋をきちんと通さずに自己判断で強引に進めることもあります。
チームワークは好んでも、仕事の成果は個人プレーでの結果を認めてもらいたがります。
例えば営業成績など、目に見える成果を重視します。
先輩社員や管理職から理不尽に抑えつけられると、後輩に対し「自分も経験したのだから」と同じように振る舞うようになります。
文化系の人は頭でっかちなところがあります。
そのため、理屈を述べたり文句を言うことがあり、扱い辛いと感じることもあるでしょう。
また、大きすぎる責任を嫌い、なるべくなら歯車の一部で構わないと考えます。
チームプレーよりも個人プレーを好み、あれこれと試行錯誤して達成することに長けています。
人と接する営業職よりデスクワークに向いています。
コミュニケーション能力については個人差がありますが、低い人もいるので、その点は注意しなければなりません。
また、上下関係もそれなりに尊重しますが、陰で認めていなかったり、まったく上限関係を無視して、自分の認めた人だけしか従わない人もいます。
普段の仕事は個人プレーが主体ですが、仕事の成果に関してはチーム全体の結果であることを主張し、自分一人に責任がのしかかることは避けます。
以上のことを考えると、どちらか一方を採用すればよいということにはなりません。
体育会系には、やはり対外的な職が向いていることが多く、主に営業職でその真価を発揮します。
また、比較的責任感が強い人が多く、リーダーを任せることもできます。
段階に応じて、それなりの教育をして責任を持たせて仕事をさせれば、伸びていきます。
また、成績を重視するため、成果報酬を好みます。
一方、文化系には、比較的デスクワーク・事務職が向いています。
細かい作業、注意が必要な作業、様々な配慮を必要とする作業は、文化系の方が秀でており、また丁寧で思慮深いところは、電話や接客などの応対に関しても現れます。
ただし、本人たちは長時間の接客等は好まないため、営業職などの絶えず顧客と折衝すような仕事は嫌います。
また、精神的にストレスがかかる状況下では、それに対してうまく対処できません。
一概に怒ることがうまくなく、叱ることも得意ではありません。
リーダーには向かないことが多いので、チームを構成するメンバーとして、選定するとうまくいきます。
もちろんこれがすべてではありません。
個人差があるので、体育会系でも思慮深く細かい作業を得意とし、事務職が好きな人もいるでしょう。
また、文化系でも人と接することを好み、リーダーシップを発揮する人もいます。
要は、そういう傾向があるということを念頭において、どのような人物であるかは面接でしっかりと見極めていく必要があるということです。
ある程度の目安として、前職が自衛隊であったとかいう情報が得られれば、体育会系なのかな、では、こういう傾向にある人なのかな、という見当をつける程度に考えましょう。