クレーム処理は、財産です。受けたクレームは、記録にとっておいて、積み上げていきましょう。
一度受けたクレームは、別の人からも来る可能性も大いにあります。
「同じようなケース」というのは、必ずあります。
ですから、受けたクレームは、必ず記録しておきましょう。
記録内容は以下の5つを基本とします。
クレーム電話を受けた日時です。
いつ頃発生したのか、きちんと書きとめておきましょう。
誰が電話を受け付けて話をしたのか、書いておきましょう。
詳細を本人から聞きたい場合にも使えるし、担当者名を書く決まりを作っておくことで、きちんと処理しなければならない、という責任感を生むこともできます。
こちらが折り返しの連絡をすることもあるので、必ず相手の氏名・連絡先は確認しておきましょう。
また、同じ人から再度、クレームが来る場合もあります。
このときに記録しておけば、前回がどのような内容で、どう対応したかを知る手立てになります。
相手からきちんと話を聞かなければ、書くことができません。
的外れな理解をしている可能性もあるので、クレーム内容を書けるほどに話をきちんと聞くとともに、上司等に書いた内容をチェックしてもらうことは大切です。
これまで、どのような対応をしているのかの経緯を書きます。
その場で済んだ問題なのか、何日もかかった問題なのかによって、クレームの重度を見ることもできます。
どのようにして解決したか、いつ解決したか、事後処理はどうだったか、相手の反応はよかったか、といったことを書きます。
以上の記録をとったら、それをファイルしておきます。
印刷してファイルするのが一般的です。
コンピュータをよく使う会社であれば、ファイルサーバなどの共有できるところに保存しておいて、いつでも誰でも見られるようにしておくといいでしょう。
このように、受けたクレームを財産として、積み重ねていき、普段から見ることができるようにしておくと、初めてクレームを受けた人であっても、どのように対処すればいいのかがわかります。
それは、会社の評判を落としかねない場面で、最悪の事態を回避するツールとなります。
このようにして記録をとったら、そのクレームがなぜ起こったのかを分析して、クレームの元凶となるものをつぶす作業に移ります。
きちんと相手の話を聞き、解決策を提示できたのであれば、原因は既にわかっているわけですから、二度と問題を起こさないようにする方法もわかるでしょう。
また、問題を起こさないように処理したつもりでも、同じようなクレームが来ることがあります。
それは、きちんと原因を把握できていなかったか、問題を解決できなかったということを意味します。
こういったことも、記録にとっておくことで、「同じような問題がまた発生しているな」と把握することができます。
クレームは財産だと思い、次回また同じクレームを受けないように、未然に防ぐ手立てを考えましょう。
それが、会社の衰退を防ぐことにつながるのです。