クレームへの対応方法として、相手の話をよく聞くこと、そして自分が理解できるまで話し込むことが必要です。
このとき決して自分の意見を挟んで「それは~だからです」などと、言い訳がましいことを言ってはいけません。
相手の機嫌を損ねてしまいます。
あなたの言い訳が、相手と見当違いのことを言っていたら、火に油を注ぐように、相手はさらに怒り出してしまうでしょう。
クレーム処理だけでなく、仕事全体に関わることでもありますが、常に思いやりを持って接するということを忘れてはいけません。
「思いやり」と一言で言うのは簡単ですが、「思いやり」とは、相手のことを考えて行動することです。
それが、決して自分の理論の押し付けであってはいけません。
例えば、以下の2つはどちらが思いやりでしょうか?
思いやりのある行為は2番目の「自分がされたら嫌なことは相手にもしない」です。
「自分がされたら嬉しいことを相手にもする」行為がなぜ思いやりではないのでしょうか。
それは、あなたが嬉しいからといっても、相手には嬉しくない可能性があるからです。
もちろん、「自分がされたら嫌なこと」が、相手にとっては嬉しいことである可能性もあります。
しかし、嫌なことというのは、多くの場合ストレスがたまる行為のことになります。
ストレスを相手に与えないように行動するというのは、相手には居心地のよい空間を提供することになります。
これに対し、嬉しいことというのは、千差万別なので人によってはそれがストレスになってしまうことがあり、当たり外れが大きすぎてリスクが高いのです。
つまり、確率的に言って、「自分がされたら嬉しいことを相手にする」ことよりも「自分がされたら嫌なことを相手にしない」ことの方が、思いやりのある行動になりやすい、ということです。
思いやりについて少し説明しましたが、クレーム処理における思いやりとは、相手の目線になること、相手の気持ちを理解しようとすること、です。
そうすれば、自然と相槌を打てるようになります。また相手が言いたいことを自分の言葉で「つまり~ということですね」と、相手の共感を得るように話すことができるようになります。
多くの場合、このような行為が、相手の気持ちを鎮め、解決への糸口を示すことになります。
思いやりを持って接すると、相手は自分の話を真摯に聞いてくれている、自分の主張を受け止めてくれている、と感じます。
そして、それに対して、きちんと対応してくれるということがわかれば、「悪口雑言を並べ立てるクレーマー」は態度を軟化していき、いなくなります。
クレーム処理時には、相手の気持ちを鎮めるため、きちんと話を聞いている、相手の主張に同意を示している、理解しているという態度を見せる必要があります。
しかし、幾らお辞儀をしても、電話越しでは表情やしぐさは伝わりません。
そこで、効果的なセリフを使ってみましょう。
これらのセリフは、相手の怒りを鎮めるために、一役買うことでしょう。
しかし、使いどころを間違えてはいけません。
また、幾ら効果的なセリフだからといって、連発したり棒読みしては逆効果です。
必ず、これらのセリフが最適だと思えるタイミングで、心から言っているように話してください。
「心から言っているように」とは、本当に心から言っていなくても構わないということです。
クレーム処理のたびに、本当に心から申し訳ない気持ちになっていては、自分の精神が病んでしまうかもしれません。
ですから、心の底から詫びることはありません。
しかし、いい加減な気持ちで話せば、それは相手には不思議と伝わってしまうものです。
そういうことにならないように、クレームにはまじめに対応しましょう。
そうすれば、上記のセリフも自然と心から言っているような感じで、口をついて出てくることでしょう。