クレーム処理は、ほとんどが電話対応になります。
たまに、メールや封書ということもありますが、窓口を設置していたり、代表電話番号を掲載していれば、多くは電話でかかってきます。
電話での受け答えには、基本的には、はきはきとした話方が求められます。
これは、クレーム処理以前の問題です。
歯切れの悪い対応や、先回りした心配りができるようになりましょう。
まずハキハキと話す癖をつけましょう。
苦情対応に限らず、ダラダラと話す人は、相手に不快感を与えます。
ダラダラとした話し方は、いい加減に対応されているという印象を与えてしまい、さらなるクレームに発展しかねません。
話し方には気をつけましょう。
また、ハキハキと話すことが、「慣れ」で話すことと勘違いしないようにしましょう。
まるで台本を読んでいるかのように、ロボットじみた話方をする人がいますが、非常に不自然な話し方なので、相手に違和感を与えます。
マニュアル通りにやっているなと思われてしまうでしょう。
相手のことを思いやって話をしましょう。
つまり、相手がどんなに怒っていて、その怒りの矛先をこちらに向けているからといって、むっとして対応を悪化させるのではなく、あくまでも相手の側に立って傾聴するということです。
相手がこれをされたら嬉しいだろうな、安心するだろうな、ということを、電話をしている最中に、言葉で表現しましょう。
相手の話の合い間に、適切な相槌を打つことは、「ちゃんとあなたの話を聞いていますよ」というサインになります。
ただし、相槌を打つのであれば、必ず確認の意味を込めて、「それは○○ということですよね」と自分の言葉に要約して、要所要所で相手に問いかけて確認しましょう。
一通り相手の話を聞いたら解決策の提示になります。
このとき、相手に「このようにしてください」と、自分でやらせるのはよくありません。
もちろん、相手がその場で操作しなければならない状況であれば仕方ありませんが、そうでない場合には、「何でこっちでやらなければならないんだ」と怒りだしてしまうかもしれません。
こちらのミスで起こった問題であるならば、最後までこちらで対応するのが筋ともいえます。
解決策を提示した上で、「こちらで対応いたします」と伝え、いつ頃までに解決するのかを伝えます。
また、解決時期がはっきりしない場合には、相手にこまめに連絡を入れることによって、「忘れていません。処理中ですよ」というメッセージを発信することになります。
「適切な相槌を打つ」と似ていますが、相手がこちらに求めている行為は、同情・共感、そして解決です。
反論などは求めていません。
相槌は共感のサインです。
そして、声のトーンや話し方は、相手のことを気遣うように、優しく、「それは大変でしたね、申し訳ございません」といった同情の気持ちを込めましょう。
また、今後クレーム相手が話をしたいときに、直接かけてこられるように、自分への直通電話を教えましょう。
もちろん、部署や名前も教えます。
相手は、自分は何者であるのか、氏名と住所をこちらに伝えている訳ですから、こちらも伝えるべきだと思っています。
これも、相手から言われる前に「今後もしこのようなことがございましたら、私の直通電話にご連絡ください」などと、先手を打って教えておくと、相手の気分もグッとよくなります。
メールであっても、これらの対応の仕方は電話と同じです。
ただし、電話よりもメールの方緒が、言葉遣いや文章の構成には気を遣いましょう。
文章には、抑揚やスピード、雰囲気などを込めることが難しいので、大げさなくらい丁寧に書いてちょうどよくなります。
話すのであれば、多少は失礼な物言いになってしまっても話し方や声色などでカバーすることができます。
しかし、文字にはそのもの以外は何も装飾するものがありません。
もちろん手紙でも同じです。
ですから、文章にして回答する場合には、極力気を遣うようにしましょう。