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ホーム気に入られる営業活動術棒読み営業マン

「時間の無駄」と思われる営業棒読み営業マン

基本的に、営業のきっかけというのは電話でのアポという場合が殆どです。
ですから、電話口での話し方というのは重要なポイントになります。
しかし、先日会った営業マンは逆の意味で興味をひかれたので会ってしまいました。

会う理由が弱い

その人は、女性の営業マンで、この春から社会人になったばかりの新人だと言っていました。
驚いたのは、紙書いた文章を読んでいるのがわかるような「棒読み」だったことです。
恐らくは、言うことを忘れないために、紙に書いておいた内容を読んだのではないかと想像するのですが、それにしても普通ならば、自分のあまたの中で、ある程度言うことを理解し、整理して読み上げるので、自然と抑揚がつくものなのですが、その人は、最初から最後まで完全な棒読みで用件を伝えてきたのです。

棒読みをするということは、その紙に書いてある文字を一字ずつ機械のように発声しているだけで、何を話しているのか自分自身でも理解していない状態だということです。

相手の言い分は、「以前(数年前)に、他の者が営業に来たことがあるけれど、自分は今年入社したばかりの新人なので、会って挨拶をしたい」ということでした。

見事な棒読みに、わたしはまず「会っても無駄だな」と思いました。
そして、「あなたが新人というだけで、私が会うメリットは一体何なのか」と聞きたくなる気持ちがわいてきました。
しかし、そんな意地悪なことをしても仕方ありません。
だから断ろうと思ったのですが、何となく興味がわいてきてしまいました。

試しにもう一度、何のために来るのかを聞いてみました。
すると、「新人なので挨拶をしたい」ともう一度繰り返しました。
こちらとしては、取引もしていない会社の新入社員に会う義理はありません。
むしろ、新製品のご案内をしたい、と言ってくれれば会う理由にはなるのですが、そこまでのアドリブはきかないようでした。

この人は、実際に会って話をするときに、どんな話をするのだろうか、という興味が膨れ上がってしまいました。
そして、会ってみることにしたのです。

会社案内も棒読みだった

翌日、その営業マンはやってきました。一人ではなく、二人で。

もう一人は、代表取締役の肩書を持っていました。
こちらの人は、物腰も穏やかで話し方も普通でした。
当然自社商品にも詳しく、技術的な突っ込んだ話もできる人でした。
この人のように、技術的な話にも詳しい人だと、こちらは聞きたいことをすべて聞けるので助かります。
特に商社系営業マンは、技術的な知識を持っていないため、少し突っ込んだ質問をされると、すぐに「聞いてきます」「技術の者を連れてきます」と言って、話を止めてしまいます。
営業マン側にしてみれば、「やった、次回会う口実ができたぞ」というところかもしれませんが、こちらはその場で何気なく質問しているだけなので、そこまで大ごとにしたいとは思っていません。
軽く聞いたことにも答えられない営業マンは、会っても無駄と思ってしまいます。
技術者を連れてこなければ、顧客の獲得ができないのであれば、それはもはや営業マンではありません。
誰かの力を借りて契約を取ったのだとしたら、それはその「誰か」の人のおかげであって、営業力があるわけではありません。
営業マンならば、自分一人で契約を勝ち取るくらいのプライドを持ってほしいものです。

閑話休題。

その新人営業マンは、会社の概要を説明すると言い、パワーポイントの出力用紙のような会社案内を取り出し、1ページずつ説明をし始めました。
その説明も、非常に拙いもので、そのページに書かれている文字を読むだけで付加情報はまるでありません。
こちらも話すことがないので、ただ「はい」と生返事をするばかりです。
会社案内をするからには、「そんなこともできるの?」という驚きや、「こんなことはできますか?」という質問ができるような案内が望ましいのです。
また、「~だから安定感があります」など自社アピールをしてもいいでしょう。

残念ながら、そういったことは一切なく、最後のページまで文字を読んで終了しました。

隣に座っていた取締役の人は「すみませんでした」と苦笑しながら言いました。
この拙い案内を聞かされている私を見て、思わずそう言ってしまったようです。

このとき、実は少し聞いてみたい案件を抱えていました。
それもあって会うことにしていたのです。
その取締役の人に聞いてみると、サクサクと話が進み、聞きたいことを聞くことができました。
もしこの場に、新人営業マンしかいなかったら、聞いても仕方がないだろうと思い、聞かなかったでしょう。

使命感を持つことの大切さ

この新人営業マンの問題点は、使命感がなかったことでしょう。

自分が何をしに、その会社に入社したのか、自分が今している仕事で求められていることは何か、訪問先の相手は何を求めているのか、自分が相手に与えられるメリットは何か、そういった使命感です。
営業で訪問するということは、いわば相手の仕事中に時間を割いてもらうことです。
その貴重な時間を奪ってまで話したい内容は何なのか、ということを考えなければならないのです。

このままなら、会ってみて意味がなかった、損をした、忙しいのに時間の無駄だった、と相手に思わせるような訪問をすることにならないだろうか、ということを事前に考えて準備をしてほしいのです。

このときは7月でした。
4月に入社したということは、入社して3か月経っているということです。
たった3か月では自覚は芽生えないでしょうか。
社会人としての自覚があり、どうすれば会社の人や訪問先に認めてもらえるかを真剣に考えていたのであれば、もう少し準備ができたのではないでしょうか。

電話営業を繰り返しているのであれば、せめて棒読みは卒業しなければなりません。
何を話すのか、話す内容を頭に入れるのはもちろん、苦手だと思うのであれば、かかってきた電話に積極的に出たり、仕事の時以外でも仕事を意識して行動したり、周りを見たりするだけでも違ってきます。
仕事は仕事、プライベートはプライベートなどと割り切って考えていると、いつまで経っても成長できません。

そうやって経験を増やして、自分のバックボーンを厚くすることで自信がついてくるのです。
常に反省して、次に同じことを行う時には、前よりもどこか一歩だけでも進んだと思えるような改善をしていきましょう。

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